競争をせずに勝利する方法とは

〈答え〉本当に欲しいものを売る

他社と同じものを提供することは、激しい競争にさらされる理由です。恐らく、人が欲しいものは○○だろうと考えているからです。

ところが、実際にはまったく違うものを欲していることがあります。それを見抜いたとき、競争をせずに勝利することが可能になるのです。
f:id:toshimai:20200524043907j:plain
ある欧州メーカーの小型バイクが、インドの地方都市で人気でした。しかし人気があるのは、この地方だけ。
不思議に思ったメーカーは、若手社員を現地に派遣して調査を命じます。

派遣された社員が見たのは、驚くべき光景でした。その地方都市の村人は、小型バイクに乗っていなかったのです。エンジンを外して、井戸から水をくみ上げるポンプにしていたのです。

取り外しやすく小型、という理由でこのバイクが売れていたのです。

「戦うべき場所、戦うべき日時を予測できるならば、たとえ千里も先に遠征したとしても、戦いの主導権を握ることができる」
f:id:toshimai:20200524044153j:plain
本当に欲しいものを知ったこのメーカーはどうしたか?
井戸用の小型ポンプを開発し、大規模に販売したのです。
表面から一歩先に踏み込んで、本当に欲しいモノを売ったのです。これで成功しないはずがありません。

ヒトは本当に欲しいものに、気づいていないこともあります。相手が現在購入しているものではなく、本当に欲しいモノを見抜くこと。

この商品を通して、本当に相手が欲しがっているものは何か。安心なのか、癒しなのか、安全なのか、優越感なのか。

源流にさかのぼることで、本当に欲しいものが見えてくるのです。あなただけが、相手の本当に欲しい者を提供できるなら、あなたの印象は、大きく変わらざるをえないのです。

(参考文献 実践版 孫子の兵法 鈴木博毅P134)


<感想>
時々買い物をしていて、買った後に「あれ。なんでこれ買ったんだっけ?」と思うことがあります。

買う予定がなかったのに、スーパーに買い物に行ったらつい買ってしまったという経験は誰にもあるかと思います。

それはスーパーの陳列だったり、買い物中の気分だったりで、自然と買い物かごに入れてしまったのかもしれません。

ただ、実はそういう何気ない衝動買いに、自分が本当に欲しいもの、求めていることが眠っているのかもしれません。
f:id:toshimai:20200524044736j:plain
たとえば先日私は、お風呂に入れておもちゃが出てくる入浴剤を、衝動買いで買いました。私は、子供とのお風呂の時間が大好きで子供との楽しい時間に、心の安らぎを求めているのかもしれません。

それはつまり、私が求めているのは、「子供との楽しい時間、心が安らぐ時間」であって、入浴剤ではないのです。「子どもとの楽しい時間」を与えてくれるものであれば、結論なんでも良かったということです。

人はみなモノを買うときに、実は隠された目的があるということです。表面上は見えていない潜在的な理由。これがわかれば商売が良い方向へ進みますよね。

安心なのか、癒しなのか、安全なのか、優越感なのか。

中年の女性がワインを1本買い物かごに入れました。
この女性はもしかしたらワインのポリフェノール効果(アンチエイジング・ボケ防止)を期待しているのか。そうであれば、関連した商品も近くに陳列すれば次回買ってくれるかもしれない。
f:id:toshimai:20200524044813j:plain
それとも旦那さんとの食事の時間を楽しみたいのか。そうであれば、ペアグラスやワインに合うおつまみを近くに陳列すれば買ってくれるかもしれない。

既に食品スーパーではこのような仮説は立てまくって展開していると思いますが、同じことは全てのビジネスにもつながりますね。

ヒトがものを買う本当の理由って突き詰めれば、商売の本質につながりますね。仮説を立てて検証の繰り返し。

皆さんも買い物をするときに自分が本当に欲しもの(こと)は何なのかを考えてみてください。

また、人がものを買う理由について仮説を立てる習慣もつけるようにしましょう。

それを繰り返すことがブルーオーシャンへの道のりにつながるのかもしれません。
f:id:toshimai:20200524044847j:plain