孫子から学ぶこと

<答え>挑戦と守り

経験則、過去の戦史を研究して法則化した『孫子』。
高い再現性を持つこの英知は、ある特徴があります。
経験則ゆえに、似た価値観と思考体系を持つ敵には、極めて有効だということです。

特定の状況になると、同じように考える。
特定の文化を持ち、少なくとも価値観に共通点がある。
このような場合、孫子の思考体系は孫武が意図したとおりに機能します。
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孫武が活躍した春秋時代は、中国大陸内で複数の国家が覇を競っていました。しかしその争いは、同じ文化圏に属する異なる国家の闘争という性格でした。

そのため、孫子の兵法は特に効果的に機能したと考えられるのです。

中国の歴史上、異文化・異民族の侵略と支配を受けた時代が何度かあります。全く異なる信条を持ち、戦い方から武器、社会制度まで違う敵です。

そのような敵を前にしたとき、必ずしも兵法はうまく機能したとは言えませんでした。先に、孫子は「原則主義」と「定石」から成り立っているとご説明しました。
チャンスにどう手を伸ばすかという原則と、失敗を避ける定石です。

ところが、孫子の「定石」ばかりに目を奪われると、失敗を避けるだけになります。
その結果、先に向かって歩み、道の可能性に挑戦する姿勢が失われるのです。
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似た価値観の中では、失敗を避けることである程度の成功ができました。

ところが、まったく別の価値観の中では、勝利しない限り、成功できないのです。そのため、失敗を避けるだけでは成功することが出来ません。

これは海外生活を始めることをイメージすればわかりやすいです。右も左もわからないのですから、失敗を避けるだけでは自分の居場所を作れません。

積極的にふるまい、友人を作り、周囲の人間関係を広げる努力が必要です。生まれた国での生活のように、ある程度いろいろそろっている条件とは違います。

小さな賢さで孫子を読むと、失敗を避ける定石集としか理解できません。そのため、未知の状況では萎縮してばかりで、新たな進展を生み出せないのです。

大きな賢さで孫子を読むと、新たな成功に手を伸ばす挑戦の重要性がわかります。
<孫子ならどうする?>
孫子は「挑戦」と「守り」の2つの面で活用する

(参考文献 実践版孫子の兵法 鈴木博毅)

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<感想>
過去の人と同じことをやっても意味がないのか。
私はそうは思いません。過去の人が失敗したことを学んで、自分なりのやり方で勝負すること。

時流に合わせてタイミングがあえば、過去の人の成功を上回る成功を手に入れることができる。

孫子から学べることは、過去の失敗に基づく経験則。これをビジネスに生かさない手はありません。
また、新たな成功に手を伸ばす挑戦についても教えてくれています。

競合他社が多くいる業界の中で、成功している会社を真似ることは定石です。ただ、そこに自社なりのやり方を加えることでオリジナルにすること。

そして、他社の失敗から学び、自社の強みを活かし時流に乗るタイミングを見つけ大きく羽ばたく。

これからも成功への道を探し続けます!
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