松下幸之助「追求する」

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月に向けてロケットを発射する。

轟音とともにたちまち天空高久飛び立って、もはや人間の目には届かない。

しかし追跡装置が完備して、どこまでもこれを追う。

何千キロ、何万キロ、月の表面に至るまで、刻々にこれを追う。

追求する。
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だからこそ、ロケット発射の意義がある。

成果がある。

追求しなければ何の意味もなし。

射ちっぱなし、消えっぱなしでは、浪費以外の何ものでもない。


人間社会の人間同士の間でもこれと同じこと。

人が人に事を命じる。

指示する。

頼む。

しかし、命じっ放し、指示しっぱなし、頼みっぱなしでは、何の意味もない。

何の成果もあがらない。

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命じたからには、これを追求しなければならなぬ。

どこまでもトコトン追求しなければならぬ。

それが命じたものの責任ある態度というものであろう。


追求されるほうも容易ではないが、追求するほうも本当は大変である。

ロケットを追求する以上の配慮がいる。

根気がいる。

しかし、ともすればあいまいに過ごしがちな日々、追求するほうもされる方も、おたがいにこれほどの覚悟を持ちたい。

勇気を持ちたい。
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(参考文献 道をひらく 松下幸之助

(感想)
以前読んだ本『リーダーならもっと数字で考えなきゃ!』(香川晋平著、あさ出版)に同じようなことが書かれていました。

サザエさんを3回超えさせたら、勝手に動き出しよるわ。
(206ページより)

部下に指示を出すときは、「しつこく言い続ける」ことが大切なのだとか。脳科学の世界では、人は21日間同じ行動を続けると、急速にその行動をすることへの抵抗感がなくなり、習慣化する確率が高まるといわれているからだそうです。つまり「サザエさん3回」とは、3週間(21日間)ということ。
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赤字リーダーは改善策を指示するだけで、部下がやらなくても「指示は出したのだから」と他人事として捉えるもの。一方、黒字リーダーは、部下に改善策を習慣化させようとする。そしてそれが、必ず成果につながる。リーダーたるもの、部下に嫌われることを恐れずに「いい続ける」べきだというわけです。

つまり、松下幸之助さんが言うように言いっぱなしではなく部下の行動を習慣化するまで言い続け追求するということ。

そこまでしてはじめての成果を上げるリーダーとなれる。

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