ネタバレ注意「父からの手紙」を読んでの感想

親から子への無常の愛
真相を知った時の衝撃は大きかった。驚愕の事実。
でも圭一の言うようにお父さんの判断は間違っている。自分に置き換えて考えてみた。仕事がうまく行かず胃がんになって子供が私立の高校、中学への進学を望んでいる。そんな状況で死を選ぶか。私なら絶対選ばない。どんな惨めな状況に追いやられても生きて家族と共に苦境に立ち向かう。
周囲の幸福、家族の幸福を考えるなら、まずは自分が幸福になることを考える。

でも間違っていたとしてもお父さんの注いだ愛情の深さが限りないことに変わりはない。
最後の方の手紙の内容は涙無しにはいられなかった。
一緒に生きたかったんだろうなと思う。
でもこの手紙を書いている内にやっぱり生きて一緒に過ごしたいと思わなかったのだろうか。
私は絶対にこの選択はしないと思うが子供への愛情の注ぎ方についてはとても共感できて心打たれるものがあった。元々家族が大好きだが、今以上に家族との時間を大事にして行きたいと思える小説でした。