モチベーションを上げる方法とは?

<答え>当人比で評価する
<実験>(参考 心理学者ルース・バトラーの実験)
中学生たちをチームに分けて、テストをやってもらいます。

Aチームの中学生には
「他の学生と比較して評価する」と伝えた。

Bチームの中学生には
「あなたの成績の上がり具合を基準にして評価する」と伝えた。

意気込みをたずねると

Aチームの中学生たちは
「能力をしめしたい」「ミスを減らしたい」などと答えた。

Bチームの中学生たちは
「頭をきたえたい」「問題解決能力を高めたい」などと答えた。
<結果>
テストを何度か繰り返すうちに、
Bチームのほうが大きく成績が伸びた。
テストが楽しかったという声も多かった。

つまり
他人との比較よりも、
自分の成長度合いによって評価された方が
人は努力しやすい。
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<筆者の考え>
「お客様に喜んでいただくため」「上司に安心して任せてもらうため」「社内で一番のプレゼンテーターになるため」など、客観的理由(人からどう思われたいか)を自分の仕事の目的にしていると、次第に社交的で、気配り上手な人物になっていくことでしょう。そして自分の仕事ぶりを評価されるたびにモチベーションは上がり、さらに良い結果を出し続けることが出来ます。しかしその状態がしばらく続くと、急にモチベーションが上がらなくなる時がやってきます。客観的理由は自分でコントロールしようと思ってもできないものだから、「評価を落とさないレベル」で満足するようになるのです。
一方で、「もっと良いものを作りたいから」「問題解決能力を高めたいから」「最高のサービスをしたいから」など、主体的理由(自分がどうしたいか)を仕事も目的にしていると、比較的モチベーションを一定に保つことができます。以前までの自分との比較になるので、工夫のしがいがあり、ストレスもたまりにくくなるのです。
ですから、モチベーションを短期集中で上げたいときは「周囲と競争する」のもいいかもしれませんが「自分自身の進歩」を評価した方がより仕事を楽しみ、継続的に成績を伸ばしていくことが出来ます。

「前と比べてどうだったか?」を評価基準にしよう!

<感想>
この話はかなり腹落ちしました。以前会社で半年間の営業力アップ研修があり、周りのメンバーと競わせ、だれが一番優秀なのかを決める内容のものでした。最終的には役員の前でプレゼンし、順位をつけられました。会社の意図としては、メンバー間でライバル心を持たせ切磋琢磨で、少しでも優秀な人材に成長させ、貢献して欲しいという狙いがあったのかもしれません。しかし私にとってこの研修は、苦痛以外の何物でもありませんでした。始めは、この研修に選ばれた喜びを多少感じていた時期もありましたが、すぐにモチベーションが激減しました。研修のたびに他メンバーと比べられ、いいときもあるのですが、時には年下の優秀なメンバーよりも評価がしただったりして、自分のプライド、自尊心はずたぼろになることもありました。研修のたびに、朝憂鬱で吐きそうなときもありました。
一方自分で始めたこと(読書、ランニング、筋トレ、ワイン)って、自分自身の成長が目に見えるので、本当に楽しく、やりがいがあります。自分なりに工夫しながら進めていくことが出来ます。昨日の自分より今日の自分。誰かと比較されることよりも、よりよい自分になりたいと思える何かに取り組んでいるときに人は幸せを感じることが出来ます。
ただ、サラリーマンを続けていれば、このような研修や、他者との相対的評価システムがなくなることはないでしょう。その際に、外側にあるシステムに縛られず、自分の中で自分自身の成長をモチベーションに変えることを習慣づけるように意識することが必要です。なかなか難しいことかもしれませんが、だれかに相対評価をされたときに、「昨日の自分よりよくなった」「これが出来るようになった」と、成長出来ている自分を実感するくせをつけること。そうすれば、いやな研修でも楽しく感じることができるようになります。って昔の自分(20代のころ)にも教えてあげたいです。

昨日の自分よりも今日の自分!成長成長!

(参考 図解モチベーション大百科)