孫氏の考える信頼出来ないビジネスマンとは②
<答え>怒りに身を任せる人
<孫子ならどうする?>
怒りに呑まれず、あくまで状況で行動を決定する
怒りは、時がたてば喜びにも変わる
伝説では、孫武は勝利のあと呉から出国しています。
孫武は怒りについてどのように書いているのでしょうか。
「王たる者、将たる者はいかりにまかせて軍事行動を起こしてはならぬ。状況が有利であれば行動し、不利とみたら中止すべきである。
怒りは、時がたてば喜びにも変わるだろう。だが、国は滅んでしまえばそれでおしまいであり、人は死んでしまえば二度と生き返らないのだ」
怒りは人を短絡的にします。
激しい怒りの感情は、選択肢を見えなくさせてしまうのです。
たった一つの道しか見えず、他の可能性に目が向けられない。中止すべきことを、あまりの怒りで強行してしまいます。感情的になっているので、他の手段を思いつくことが出来ない。
孫子は、怒りは時間がたてば喜びに変わることもあるといいます。しかし国は滅べばおしまいであり、人は死ねば生き返りません。
行うべきか、やめるべきかは状況が決めることです。
怒りに任せて判断すれば、国が滅び命を失うことにつながるのです。
(参考文献 実践版孫氏の兵法 鈴木博毅 P90抜粋)
<感想>
ビジネスで感情的になっていいことはありません。致命的なミスを起こさないためにも一旦冷静になることが必要。
私もかつて重要な得意先キーマンと口論になり、暴論をはいてしまった経験があります。しかしあとから冷静になり、とんでもないことをしてしまったことに気づきました。私の短絡的な感情の迷いで、会社に何億もの損害を与える可能性があることをしてしまったのです。
翌日私は、朝早く得意先の会社に向かい、そのキーマンが出社するのを待ち構えました。冬の肌寒い時期でした。
そしてキーマンが来るなり私は、なりふりかまわず土下座で謝りました。
「昨日は本当に申し訳ございませんでした」
人生ではじめての土下座でした。
幸いなことに、その方の怒りのボルテージも下がっており、取引解消にまではなりませんでした。
しかしその後、しばらくはビジネスがうまくいかなくなったことを覚えています。
信頼を取り戻すのに1年くらいかかりました。信頼は築くのは時間がかかるが、失くすのは一瞬というのを身を持って経験したエピソードでした。
よく心理学の本で、腹が立った時に5秒間数えると気持を静めることができると書いてあります。何でもいいです。とにかく怒りの感情が芽生えたら落ち着くように努力しましょう。
1秒でも早く冷静さを取り戻せるよう自己コントロールできるようになりましょう。