相手にやる気を出してもらう伝え方とは

<答え>相手に選択権を持たせる。

<実験>(参考 心理学者エドワード・L・デシの実験)
被験者である大学生にパズルの解き方を教える「教師役」をやってもらいます。生徒約の人は仕掛け人です。

Aチームの被験者には
「パズルの解き方を確実に教えなさい。あなたは生徒に良い点数を取らせなければなりません」と指示する。

Bチームの被験者には
「パズルで学ぶことを生徒に促すのがあなたの仕事です。点数が求められているわけではありません」と指示する。

<結果>
Aチームは発言そのものが多く、しかも「~すべきだ」といった限定的な言葉や、
「~しなさい」といった命令調の言葉が多かった。

つまり
「やらされている感」を持たされている人は、
他人に対しても「やらされている感」を与えがち。

<筆者の考え>
言葉遣いは丁寧だし、相手への配慮もきちんとしている。それでも、言葉の中に悪気なく「~すべき」「~しなさい」という命令のニュアンスを含ませている人は多いものです。会社内だけではなく、家庭内でも、学校内でも「~すべき」「~しなさい」という言葉は満ちています。
そこから「やらされている感」は生まれ、連鎖します。役員から「やらされている感」を与えられた中間管理職の人は、部下に対して「やらされている感」を与え、その部下は、そのまた部下に「やらされている感」を与え、組織全体が「やらされている感」に満ち、「こうしたい」という気持ちが失われていきます。
みんなが積極的に動くためにはどうすればいいのでしょうか。そのためには、お互いに、相手が「自分はどう動くべきか?」を考えるきっかけを作ってあげることが大事です。「〇月〇日までにやってください。」よりも「〇月〇日までに必要な書類なのですが、ご都合はいかがでしょうか」「○○さんにやって欲しいという意見が多いのですが、いかがでしょうか。」というふうに相手に決定権をゆだねれば、相手は自分自身の選択として動いてくれます。仕事ができる人ほど、先に相手の行動を決めたくもなると思いますが、相手の判断を待つことも大事な仕事の一つです。みんなが自分で考えながら動くことが出来れば、みんなでできる仕事がもっと増え、もっと大きくなっていくからです。

お願いごとをするときは、相手に選択権をもたせよう。

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<感想>
これはちょっとしたことですが、結果に対してとても大きな違いをもたらせる行為だと感じました。
「○○しなさい」と言われるよりも、「○○してほしいのですがいかがでしょうか」と変えるだけで、相手のモチベーションに与える影響が全く異なるという事実。
やらされ感でする仕事は、どうしても前向きになれません。逆に自らやろうと決めたことに対して人は、積極的に前向きに取り組もうとする傾向があります。
お願いの仕方を変えるだけなので、意識して使うようにしたほうがいいですね。

(参考文献 図解モチベーション大百科)