寝不足が続くとどうなるか

〈答え〉ダメージを修復出来なくなる

睡眠負債」という言葉があります。
これは睡眠の量を借金にたとえた表現で、毎日の寝不足が少しずつたまっていくと、やがて債務超過に達して様々な疾患を引き起こします。50年前にスタンフォード大学のウィリアム・でマント氏が提唱したアイディアで、その後も多くの臨床試験で影響の大きさがわかってきました。

睡眠負債が怖いのは、本人も気づかぬうちにじわじわと債務が増えていく点です。
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たとえば、1日30分ずつの寝不足が続いた場合、最初のうちは借入額が少ないので気が楽ですが、放っておくうちに返済できなくなり家計が破綻。心疾患やうつ病なので病状が出たときには手遅れになります。

このような現象が起きるのは、睡眠に日中のストレスを回復させる働きがあるからです。

私たちが眠りにつくと、脳は45~60分以内に完全休憩の状態に入り、骨と筋肉の成長や免疫システムの強化などの作業を行います。さらに1~2時間が過ぎるとレム睡眠に切り替わり、今度は大脳が活動をスタート。日中の嫌な体験や記憶が呼び起こされ、すべての情報を処理していきます。一晩眠れば前日の嫌なことを忘れやすいのは、睡眠が記憶を整理整頓してくれるからです。
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しかし、長期にわたって睡眠負債が続くと、脳と体が受けたダメージを修復する時間はなくなります。処理されずに残った疲労やストレスは少しずつ体を破壊し、最終的には手の付けられない炎症に変わるのです。

催眠負債は自覚がないまま債務がかさむため、改善のためには自分が良質な睡眠を取れているかどうかを判断する必要があります。

そこで参考になるのは、スタンフォード大学が行った系統的レビューです。過去に出た277の研究をまとめた労作で、「良質な睡眠を客観的に把握するにはどうすればいいのか?」という問題について、信頼に足る結論を出しています。
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専門家の意見が一致した「良質な睡眠」のサインは次のようなものです。

・眠りに落ちるまでの時間が30分以内
・夜中に起きるのは1回まで
・夜中に目が覚めた場合は再び眠ることができる
・総睡眠時間の85パーセント以上を寝床で使っている(昼寝や通勤電車内での居眠りなどの合計が15%を超えない)

この4つのをすべて満たすことが「良い睡眠」の最低条件で、ひとつでも当てはまらないポイントがあれば睡眠負債の可能性は高くなります。

(参考文献 最高の体調 鈴木裕 P152抜粋)


<感想> 睡眠負債がたまると心疾患やうつ病を引き起こす。怖いですね。良質な睡眠がいかに大事かということを強く実感できる内容でした。 スタンフォード大学の睡眠研究は有名で本にもなっています。上記でも過去277の研究をまとめた結論として紹介されていますが、「良質の睡眠」のサイン、皆さんはいくつ当てはまったでしょうか。 f:id:toshimai:20200508052847j:plain ちなみに私は4つ全て当てはまりましたので良質な睡眠が取れているということ。私の場合はよる21時半までには寝て朝5時前に起きるというお年寄りのような生活を送ってます。(朝活の為に) 私の奥さんに聞いたら、2つ当てはまらなかったそうです。(ソファーで寝る時間が多い、寝りに落ちるまで時間がかかる) そんな方でも大丈夫です。良質な睡眠をとる方法を明日こちらの本からまたご紹介させて頂きます。